先日、有名なラーメン屋に行ってきました。
深夜1時を回っているのに、客はそこそこ入っています。
従業員は、みんな元気に挨拶をして、気持ちよく迎えてくれます。
ただ、注文は大変でした。
「塩加減」「ネギの種類」「ニンニクの量」「辛さの度合い」「麺のゆで加減」など、
けっこうな項目について、細かく尋ねられました。
全体として、どのような項目が用意されているのかを知らないまま、一つずつ答えてい
ったのですが、終わってみると、どのようなラーメンが出てくるのかと思っていました。
しばらく待っていると、僕の細かな注文のラーメンが出てきたのですが、単に「辛いラ
ーメン」でした。まぁ、自分で作り上げたので文句は言えませんけどね。
そのような中、昔、ビッグコミックから出ていた「熱いですよ」というコミックを思い
出しました。
主人公の母親は有名デザイナー。母親と食事に行くと、周囲の客の観察がはじまります。
服装や雰囲気から「職業」「性格」「好み」などを見抜いていきます。
この鍛えられた観察力を使って、ある有名ラーメン店で客に合わせたラーメンを作りま
す。「みそ」「とんこつ」「しょうゆ」「塩」を客にあわせてブレンドするのです。
ラーメン屋は大繁盛。
そこへ体格の違う身なりを整えた紳士が三人来店。
そこで、それぞれにあわせたラーメンを作り食べてもらいます。
誰もが口を揃えて「うまい」と絶賛します。
が、その評価、「このとんこつ味がいい」「この塩ラーメンは絶品」「やはりラーメン
はしょうゆがベース」など。
で、ふと、お互いの発現に気付き、ラーメンを交換して食べてみます。
「なぜ違う?」「この店の味はどれなんだ?」と。
その紳士たちの招待は、ラーメンの味を評価する判定員でした。
店長は、それまで守り続けていた「三つ星ラーメン」の看板を判定員に、あっさりと
返納しました。
納得できないのは観察力に自信がある主人公。が、その後の展開は覚えていないんです
よね。もう20年以上前に読んだもので。
やはり、何にしてもポリシーや主軸は欲しいと思います。
相手にあわせるのも大切ですが、あわせ過ぎると自分というものがなくなってしまうよ
うに思います。
上記のコミックの中でもう一つ覚えている話があります。
事情までは覚えていませんが、急遽、屋台村でラーメンを作ることになりました。
それなりの自信を持っていた主人公ですが、なぜか客はさっぱりです。
そんなとこへラーメン屋の常連が「店に行ってきたけど、やっぱり違う。やっぱお兄ち
ゃんに作ってもらわないと」とうれしい言葉をかけてもらいます。
自信満々で作ったものの、常連客の反応は「やっぱ、この味だと思ったんだけど、何か
違う。美味しくない」と言います。
そこへ救いの神の登場です。
主人公の父親は凄腕のラーメン屋です。常時、サングラスとマスクを着用しています。
余分な光と臭いから感覚を守るためにです。
その父親の一言は「海を見て考えろ」でした。
言われた通り、深夜で真っ暗な海を見続けます。何も浮かびません。
やがて、朝日が昇り、海面を照らします。それを見て主人公は気付くのです。
屋台村では風が強く、風味が奪われてしまい、すぐに味が落ちてしまうのだと。
それを防ぐためには、スープを油でコーティングすればよいと気付くのです。
そのヒントが太陽によりきらめく海面だったのです。
こだわりも大切に思いますが、必要に応じた工夫も大切に感じています。
このあたり、私たちの施術にも通じるところがあると思います。
「こだわりの臨機応変」を目指して行きたいものです。
2011年11月03日
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